地域経済概況

No.463 平成21年11月

国内経済の動き

 11月の月例経済報告では、「景気は、持ち直してきているが、自律性に乏しく、失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況にある。」とし、4か月連続で基調判断を据え置いた。
 国内の生産動向をみると、9月の鉱工業生産指数は、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、電気機械工業等が上昇し、その他工業が低下した結果、前月比+2.1%、前年同月比▲18.4%となった。
 個人消費は、経済対策の効果もあって、持ち直しの動きが続いており、消費者マインドは持ち直している。
 10月の新車販売台数は、軽自動車が前年同月比▲8.9%と12か月連続のマイナスとなったが、普通乗用車等が同+12.6%となった結果、全体では同+4.4%となった。
 10月の全国百貨店の売上高は、20か月連続のマイナスで前年同月比▲10.5%となった。また、スーパー等大型チェーン店の売上高は、11か月連続のマイナスで前年同月比▲5.2%となった。
 9月の住宅着工戸数は、持家が前年同月比▲19.7%、貸家が同▲39.0%、分譲住宅が同▲52.5%とともに減少した結果、全体でも同▲37.0%の61千戸と10か月連続の減少となった。
 設備投資は、下げ止まりつつある。10月の機械受注は、内需が前年同月比▲55.8%、外需が同▲32.0%となり、全体では同▲42.6%となった。
 月例経済報告による今後の見通しは、「当面、厳しい雇用情勢が続くとみられるものの、海外経済の改善などを背景に、景気の持ち直し傾向が続くことが期待される。一方、雇用情勢の一層の悪化や海外景気の下振れ懸念、デフレや金融資本市場の変動の影響など、景気を下押しするリスクが存在することに留意する必要がある。」としている。

県内経済の動き

県内経済は、生産は持ち直しに転じつつあるが、一方、雇用・所得では、労働需給が厳しい状況にある中で、雇用者所得は大幅に減少している。

県内主要経済統計(21年10月)(単位:前年比、%)
  鉱工業
生産
住宅着工
戸数
公共工事
請負額
大型小売店
売上高
乗用車新車
登録台数
企業倒産
件数(件)
20/ 7~ 9 -3.9 -14.4 -4.0 2.1 -0.3
20/10~12 -14.8 -5.0 -16.5 0.4 -23.7
21/ 1~ 3 -37.5 -25.5 8.0 -2.6 -35.1
21/ 4~ 6 -33.0 -29.6 2.6 -1.2 -21.5
21/ 7~ 9   -32.6 27.2 -4.0 -4.1
             
21/ 5 -35.7 -23.4 -19.5 0.8 -18.0 16
6 -29.0 -30.2 6.3 -3.5 -13.8 15
7 -27.3 -33.2 47.2 -3.8 -9.3 12
8 P -25.1 -37.4 23.1 -5.3 -0.3 16
9   -26.0 12.5 -2.5 -1.5 13
10         10.0 16
資料出所 長野県 長野県 東日本
建設業保証
日本銀行
松本支店
長野運輸支局 東京商工
リサーチ

(日銀松本支店まとめ)

P:速報値 r:訂正
(注)大型小売店売上高は、店舗調整前の計数

県内の雇用情勢

9月の雇用情勢は、月間有効求人倍率(季節調節値)は0.40倍と前月より0.02ポイントの上昇、前年同月比で0.53ポイントの低下となった。新規求人数は、対前月比+18.0%、対前年同月比▲24.1%となり、産業別では、一部を除く各産業で前月を上回ったものの、「建設業」「製造業」「卸売・小売業」などの主要産業は、引き続き前年同月を大幅に下回った。一方、新規求職者数は、対前年同月比+10.5%となった。

県下の倒産状況

10月の県内における負債総額1,000万円以上の企業倒産(内整理を含む)は、件数は16件で前月比+3件(前年同月比▲1件)、負債総額は33億円で前月比▲3億円(前年同月比▲34億円)となった。産業別では建設業が6件と最も多く、続いて製造業が4件であった。(東京商工リサーチ調べ)

県内の産業動向
製造業
(食品)
食肉加工品等においては、外食から内食への傾向が強まっていることなどから、精肉関連に売上高の増加が見られた。低価格商品が望まれるなか、無添加製品は、食の安全に対する意識が高まっていることから需要の増加がみられる。全般的に、「良質、低価格、安心・安全」な商品のニーズが高まっている。
(金属製品)
全般的に欧米市場の回復が遅れており、一部では依然として減少の傾向が見られる。メッキ業においては、基板関連に持ち直しの動きがみられ、比較的高水準を維持している
(はん用・生産用・業務用機械)
光学機器関連は、液晶プロジェクターなどのデバイス品において売上高の増加が見られた。自動車部品関連は、ハイブリッド車、減税対象車を中心に受注は増加傾向である。工作機械周辺部品は、在庫調整は進んでいるが、市場の設備投資が依然として低迷しており、厳しい状況となっている。
(電気機械)
電子部品の生産は、東アジアにおいて回復がみられる。特に、プリント基板については、韓国からの受注の増加がみられた。また、中国市場においては携帯電話、電化製品用の需要が安定している。コンデンサについては、家電向け製品の世界的な受注増加を中心に受注量は回復している。
(その他製造業)
工業用ゴム、プラスチック成型においては、自動車部品関連の受注が回復傾向である。また、プラスチック成型においては、太陽光発電システム部品、パソコン関連部品の受注増加がみられた。
建設業
9月の新設住宅着工戸数は、持家が前年同月比▲6.9%、貸家が同▲40.2%、分譲が同▲55.6%となった結果、全体では同▲26.0%と11か月連続で減少した。個人住宅を含めた民間工事は、低迷が続いており、当面厳しい状況が続く見通しである。公共工事は、新政権の予算見直し、抑制などから厳しい状況が続き、先行きも不透明である。
卸売業
卸売業界は、各業界の低迷を受け、売上高は厳しい状況が続いている。製造業界の素材原材料は、自動車関連の鉄鋼需要に回復がみられるが、工作機械関連は引き続き低水準である。建設資材は、建設業界の低迷から厳しい状況が続いている。なお、鋼材単価は下落傾向である。
小売業
(自動車小売)
10月の県下新車登録台数(除く軽自動車・二輪車)は、乗用車が前年同月比+10.0%、全体では同+5.8%と14か月ぶりに増加した。軽自動車は同▲1.3%と12か月連続の減少となったが、全体(含む軽自動車・二輪車)では同+1.7%と14か月ぶりに増加となった。
(百貨店、スーパー)
景気悪化による消費マインドの低下、雇用者所得の大幅な低下などから、売上高は対前年比でマイナスの状況が続いている。消費者の低価格志向が強く、客単価は減少している。集客力を高めるため、テナントの入れ替え、営業時間の延長、セール強化等の対応がみられた。
観光
10月の県内観光地は、紅葉の季節となり、比較的天候にも恵まれたが、9月のシルバーウィークの反動から、入り込み状況は全体的に低調であった。白馬山麓の入り込み状況は、トレッキングや散策目的の観光客が目立ったが、前年同月比▲9.7%となった。大町・黒部方面についても、同地域のトップシーズンにもかかわらず入り込みが減少し、前年同月比▲31.8%となった。上高地は、例年に比べ紅葉の色が薄く、紅葉見物に訪れる観光客の増加に結びつかなかったことから、前年同月比▲18.7%となった。

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