No.464 平成21年12月
国内経済の動き
12月の月例経済報告では、「景気は、持ち直してきているが、自律性に乏しく、失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況にある。」とし、5か月連続で基調判断を据え置いた。
国内の生産動向をみると、10月の鉱工業生産指数は、一般機械工業、情報通信機械工業、金属製品工業等が上昇し、食料品・たばこ工業、その他工業、電子部品・デバイス工業等が低下した結果、前月比+0.5%、前年同月比▲15.1%となった。
個人消費は、経済対策の効果もあって持ち直しの動きが続いており、消費者マインドは、おおむね横ばいとなっている。
11月の新車販売台数は、軽自動車が前年同月比▲6.5%と13か月連続のマイナスとなったが、普通乗用車等が同+36.0%となった結果、全体では同+18.3%となった。
11月の全国百貨店の売上高は、21か月連続のマイナスで前年同月比▲11.8%となった。また、スーパー等大型チェーン店の売上高は、12か月連続のマイナスで前年同月比▲8.0%となった。
10月の住宅着工戸数は、持家が前年同月比▲4.9%、貸家が同▲35.6%、分譲住宅が同▲40.6%とともに減少した結果、全体でも同▲27.1%の67千戸と11か月連続の減少となった。
設備投資は、下げ止まりつつあるものの、このところ弱い動きもみられる。11月の機械受注は、内需が前年同月比▲38.4%、外需が同+19.3%となり、全体では同▲8.6%となった。
月例経済報告による今後の見通しは、「当面、厳しい雇用情勢が続くとみられるものの、海外経済の改善や緊急経済対策の効果などを背景に、景気の持ち直し傾向が続くことが期待される。一方、雇用情勢の一層の悪化や海外景気の下振れ懸念、デフレや金融資本市場の変動の影響など、景気を下押しするリスクが存在することに留意する必要がある。」としている。
県内経済の動き
県内経済は、厳しい状況が続いているが、持ち直しつつある。一方、雇用・所得では、労働需給が厳しい状況にある中で、雇用者所得は大幅に減少している。なお、企業の業況感は、輸出や生産の持ち直しを背景に、製造業を中心に改善している。ただし、先行きについては、慎重な見方が多い。
| 鉱工業 生産 |
住宅着工 戸数 |
公共工事 請負額 |
大型小売店 売上高 |
乗用車新車 登録台数 |
企業倒産 件数(件) |
|
|---|---|---|---|---|---|---|
| 20/ 7~ 9 | -3.9 | 14.4 | -4.0 | 2.1 | 0.3 | - |
| 20/10~12 | -14.8 | -5.0 | -16.5 | 0.4 | -23.7 | - |
| 21/ 1~ 3 | -37.5 | -25.5 | 8.0 | -2.6 | -35.1 | - |
| 21/ 4~ 6 | -33.0 | -29.6 | 2.6 | -1.2 | -21.5 | - |
| 21/ 7~ 9 | P-25.4 | -32.6 | 27.2 | -4.0 | -4.1 | - |
| 21/ 6 | -29.0 | -30.2 | 6.3 | -3.5 | -13.8 | 15 |
| 7 | -27.3 | -33.2 | 47.2 | -3.8 | -9.3 | 12 |
| 8 | -25.1 | -37.4 | 23.1 | -5.3 | -0.3 | 16 |
| 9 | P-23.5 | -26.0 | 12.5 | -2.5 | -1.5 | 13 |
| 10 | -31.6 | 39.7 | -3.4 | 10.0 | 16 | |
| 11 | 33.9 | 19 | ||||
| 資料出所 | 長野県 | 長野県 | 東日本 建設業保証 |
日本銀行 松本支店 |
長野運輸支局 | 東京商工 リサーチ |
(日銀松本支店まとめ)
P:速報値 r:訂正
(注)大型小売店売上高は、店舗調整前の計数
県内の雇用情勢
10月の雇用情勢は、月間有効求人倍率(季節調節値)は0.43倍と前月より0.03ポイントの上昇、前年同月比で0.44ポイントの低下となった。新規求人数は、対前月比+6.6%、対前年同月比▲26.0%となり、産業別では、一部を除く各産業で前月を上回ったものの、「建設業」「製造業」「情報通信業」「卸売・小売業」などの主要産業は、引き続き前年同月を大幅に下回った。一方、新規求職者数は、対前年同月比+9.1%となった。
県下の倒産状況
11月の県内における負債総額1,000万円以上の企業倒産(内整理を含む)は、件数は19件で前月比+3件(前年同月比+8件)、負債総額は17億円で前月比▲16億円(前年同月比▲7億円)となった。産業別では建設業が8件と最も多く、続いてサービス業が4件であった。(東京商工リサーチ調べ)
県内の産業動向
- 製造業
- (食品)
- 食肉加工品等においては、外食から内食への傾向が強まっていることなどから、精肉関連の売上は堅調に推移している。低価格商品が望まれるなか、商品価格の引下げ傾向が強まっている。
- (金属製品)
- 全般的に欧米市場の回復が遅れており、一部では依然として減少の傾向が見られる。メッキ業においては、持ち直しの動きがみられていた基盤関連に減少が見られるなど、受注状況は不安定である。
- (はん用・生産用・業務用機械)
- 光学機器関連は、輸出向け交換レンズおよび液晶プロジェクターなどのデバイス品において売上高の増加が見られた。工作機械周辺部品は、在庫調整は進んでいるが、市場の設備投資が依然として低迷しており、厳しい状況となっている。
- (電気機械)
- 電子部品の生産は、東アジアにおいて回復がみられ、特に中国市場において、携帯電話、電化製品用の需要が安定している。プリント基板およびコンデンサについては、薄型テレビ、パソコン向け部品の生産が韓国市場を中心に増加傾向である。電子機器では、LED照明器具の引き合いが徐々に増加している。
- (その他製造業)
- 工業用ゴム、プラスチック成型においては、自動車部品関連の受注が回復傾向である。また、プラスチック成型においては、太陽光発電システム部品、パソコン関連部品の受注増加がみられた。
- 建設業
- 10月の新設住宅着工戸数は、持家が前年同月比▲11.6%、貸家が同▲52.5%、分譲が同▲5.1%となった結果、全体では同▲31.6%と12か月連続で減少した。民間工事は低迷が続いているが、一部個人住宅において、耐震工事、ソーラーパネルなどエコ関連特需および地上デジタル放送への切替による電気工事などに動きがみられた。公共工事は、新政権の予算見直し、抑制などから厳しい状況が続き、先行きも不透明である。
- 卸売業
- 卸売業界は、各業界の低迷を受け、厳しい状況が続いている。製造業界の素材原材料は、自動車関連の鉄鋼需要に回復がみられる。建設資材は、建設業界の低迷から厳しい状況が続いている。なお、鋼材単価は、供給過多などを要因に下落傾向である。
- 小売業
- (自動車小売)
- 11月の県下新車登録台数(除く軽自動車・二輪車)は、乗用車が前年同月比+33.9%、全体では同+27.8%と2か月連続の増加となった。軽自動車は同▲2.9%と13か月連続の減少となったが、全体(含む軽自動車・二輪車)では同+12.0%と2か月連続の増加となった。
- (百貨店、スーパー)
- 景気悪化により雇用者所得が減少するなか、消費者の節約および低価格志向が一層強まっており、売上高は前年比でマイナスの状況が続いている。期待される冬物商品も暖冬の影響から不振が続き、お歳暮商戦も厳しい状況である。
- 観光
- 11月の白馬山麓は、天候に恵まれたものの、前年と比べ降雪が少なかったことから、大幅に入り込みが減少し、前年同月比▲84.0%となった。大町・黒部方面は、例年に比べ暖かく、降雪も極めて少なかったため、アクセス道路に不便はなかったが、景気悪化や新型インフルエンザの影響により、前年同月比▲13.7%となった。上高地は、11月初旬の降雪により紅葉目的の観光客が減少し、前年同月比▲11.3%となった。なお、上高地は11月15日に閉山祭を迎え、閉山となった。






