地域経済概況

No.465 平成22年1月

国内経済の動き

 1月の月例経済報告では、「景気は、持ち直してきているが、自律性に乏しく、失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況にある。」とし、6か月連続で基調判断を据え置いた。
 国内の生産動向をみると、11月の鉱工業生産指数は、輸送機械工業、一般機械工業、その他工業等が上昇し、金属製品工業、食料品・たばこ工業、電子部品・デバイス工業等が低下した結果、前月比+2.2%、前年同月比▲4.2%となった。
 個人消費は、経済対策の効果もあって持ち直しの動きが続いており、消費者マインドは、おおむね横ばいとなっている。
 12月の新車販売台数は、軽自動車が前年同月比▲0.5%と14か月連続のマイナスとなったが、普通乗用車等が同+36.5%となった結果、全体では同+21.6%となった。
 12月の全国百貨店の売上高は、22か月連続のマイナスで前年同月比▲5.0%となった。また、スーパー等大型チェーン店の売上高は、13か月連続のマイナスで前年同月比▲5.0%となった。
 11月の住宅着工戸数は、持家が前年同月比+8.3%、貸家が同▲25.3%、分譲住宅が同▲38.2%とともに減少した結果、全体でも同▲19.1%の68千戸と12か月連続の減少となった。
 設備投資は、下げ止まりつつあるものの、このところ弱い動きもみられる。12月の機械受注は、内需が前年同月比+16.2%、外需が同+96.2%となり、全体では同+62.8%となった。
 月例経済報告による今後の見通しは、「当面、厳しい雇用情勢が続くとみられるものの、海外経済の改善や緊急経済対策の効果などを背景に、景気の持ち直し傾向が続くことが期待される。一方、雇用情勢の一層の悪化や海外景気の下振れ懸念、デフレの影響など、景気を下押しするリスクが存在することに留意する必要がある。」としている。

県内経済の動き

 12月の日銀短観によると、県内の経済判断は、11月の「持ち直しに転じつつある。」から「厳しい状況が続いているが、持ち直しつつある。」に引き上げられた。特にこれまで悪化が著しかった一般機械は、産業用ロボットや半導体製造装置が中国向けを中心に持ち直した。一方、建設業および飲食・宿泊業といった非製造業は「消費者の節約志向で購入単価が下がっており、製造業の生産の持ち直しが雇用所得の改善に結びついていない状況」であることから、厳しい業況見通しが続いている。

県内主要経済統計(21年12月)(単位:前年比、%)
  鉱工業
生産
住宅着工
戸数
公共工事
請負額
大型小売店
売上高
乗用車新車
登録台数
企業倒産
件数(件)
20/ 7~ 9 -3.9 14.4 -4.0 2.1 0.3
20/10~12 -14.8 -5.0 -16.5 0.4 -23.7
21/ 1~ 3 -37.5 -25.5 8.0 -2.6 -35.1
21/ 4~ 6 -33.0 -29.6 2.6 -1.2 -21.5
21/ 7~ 9 -25.4 -32.6 27.2 -4.0 -4.1
             
21/ 7 -27.3 -33.2 47.2 -3.8 -9.3 12
8 -25.1 -37.4 23.1 -5.3 -0.3 16
9 r-23.6 -26.0 12.5 -2.5 -1.5 13
10 P-15.1 -31.6  39.7 -3.4 10.0 16
11   -18.7 3.1 -6.7 33.9 19
12         59.5 27
資料出所 長野県 長野県 東日本
建設業保証
日本銀行
松本支店
長野運輸支局 東京商工
リサーチ

(日銀松本支店まとめ)

P:速報値 r:訂正
(注)大型小売店売上高は、店舗調整前の計数

県内の雇用情勢

 11月の雇用情勢は、月間有効求人倍率(季節調節値)は0.44倍と前月より0.01ポイントの上昇、前年同月比で0.37ポイントの低下となった。新規求人数は、対前月比▲12.1%、対前年同月比▲17.3%となった。産業別にみると、前月比では、製造業の一部で増加が見られたが、全体では前月を下回った。一方、新規求職者数は、対前年同月比+11.5%となった。

県下の倒産状況

 12月の県内における負債総額1,000万円以上の企業倒産(内整理を含む)は、件数は27件で前月比+8件(前年同月比+9件)、負債総額は131億円で前月比+114億円(前年同月比+99億円)となった。件数は平成21年で最多となり、また10月より3か月連続増加となるなど増勢傾向にある。産業別では、建設業および製造業がそれぞれ7件と最も多く、続いて、小売業およびサービス業がそれぞれ4件であった。(東京商工リサーチ調べ)

県内の産業動向
製造業
(食品)
 食肉加工品等においては、外食から内食への傾向が強まっていることなどから、精肉関連の売上は堅調に推移している。低価格商品が望まれるなか、商品価格の引下げ傾向が強まり、価格競争が激しくなっている。
(金属製品)
 全般的に欧米市場の回復が遅れており、厳しい状況が続いている。メッキ業においては、持ち直しの動きがみられていた基盤関連に減少が見られるなど、受注状況は不安定である。
(はん用・生産用・業務用機械)
 光学機器関連は、中国の富裕層向けの高級カメラ交換レンズにおいて売上高の増加が見られた。工作機械周辺部品は、在庫調整は進んでいるが、市場の設備投資が依然として低迷しており、厳しい状況となっている。
(電気機械)
 中国市場における家電製品等の需要が安定しており、プリント基板およびコンデンサについては、薄型テレビ、パソコン向け部品の生産を中心に増加傾向である。
(その他製造業)
 工業用ゴム製品は、中国市場が好調なほか、タイ、フィリピンなど東南アジアにおいて回復が見られた。プラスチック成型は、自動車部品関連に受注の減少が見られたが、太陽光発電システム部品、パソコン関連部品では受注が増加した。   
建設業
 11月の新設住宅着工戸数は、持家が前年同月比+4.0%、貸家が同▲35.3%、分譲が同▲44.2%となった結果、全体では同▲18.7%と13か月連続で減少した。民間工事は低迷が続いており、大口工事の需要が乏しい状況である。一部個人住宅において、耐震工事、ソーラーパネルなどエコ関連特需および地上デジタル放送への切替による電気工事などに動きがみられた。公共工事は、市町村発注工事にはやや動きが見られたが、国、県発注工事に動きはなく、先行きも不透明である。
卸売業
 製造業界の素材原材料は、自動車関連の鉄鋼需要に回復がみられるが、建設機械、工作機械等大型設備の回復が遅れていることから厳しい状況が続いている。建設資材は、建設業界の低迷から厳しい状況が続いている。なお、鋼材単価は、供給過多などを要因に下落傾向である。
小売業
(自動車小売)
 12月の県下新車登録台数(除く軽自動車・二輪車)は、乗用車が前年同月比+59.5%、全体では同+47.0%と3か月連続の増加となった。軽自動車は同+0.2%と14か月ぶりに増加し、全体(含む軽自動車・二輪車)では同+22.0%と3か月連続の増加となった。 
(百貨店、スーパー)
 景気悪化により雇用者所得が減少するなか、消費者の節約および低価格志向が一層強まっており、売上高は前年比マイナスの状況が続いている。期待された冬物商品については、シーズン当初が暖冬傾向であったことから不振が続いている。
観光
 12月の白馬山麓は、景気低迷にスキー離れが加わり、降雪も遅かったことから、前年同月比▲24.6%と入り込みが減少した。また、村内スキー場の年末年始の入り込み状況についても、年末から年始にかけて断続的に降り続いた大雪の影響もあり、全6スキー場の合計は前年同期比▲22.0%と大幅に落込んだ。大町・黒部方面は、景気低迷の影響から前年同月比▲6.5%となった。なお、立山黒部アルペンルートは12月に閉鎖となった。

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