地域経済概況

No.467 平成22年3月

国内経済の動き

 3月の月例経済報告では、「景気は、着実に持ち直してきているが、なお自律性は弱く、失業率が高水準にあるなど厳しい状況にある。」とし、8か月ぶりに基調判断を上方修正した。
 国内の生産動向をみると、1月の鉱工業生産指数は、輸送機械工業、化学工業、その他工業等が上昇し、電子部品・デバイス工業、情報通信機械工業、パルプ・紙・紙加工品工業等が低下した結果、前月比+2.7%、前年同月比+18.5%となった。
 個人消費は、経済対策の効果もあって持ち直しており、消費者マインドは、おおむね横ばいで推移している。
 2月の新車販売台数は、軽自動車が前年同月比+0.6%と2か月連続のプラスとなり、普通乗用車等が同+35.1%となった結果、全体では同+20.4%となった。
 2月の全国百貨店の売上高は、24か月連続のマイナスで前年同月比▲5.4%となった。また、スーパー等大型チェーン店の売上高は、15か月連続のマイナスで前年同月比▲2.4%となった。
 1月の住宅着工戸数は、持家が前年同月比+5.4%となったが、貸家が同▲14.5%、分譲住宅が同▲11.7%とともに減少した結果、全体でも同▲8.1%の64千戸と14か月連続の減少となった。
 設備投資は、下げ止まりつつある。2月の機械受注は、内需が前年同月比+144.2%、外需が同+267.7%となり、全体では同+217.3%となった。しかし、前々年と比較すると、受注総額で50%程度と依然として低水準である。
 月例経済報告による今後の見通しは、「当面、雇用情勢に厳しさが残るものの、企業収益の改善が続くなかで、海外経済の改善や緊急経済対策の効果などを背景に、景気の持ち直し傾向が続くことが期待される。一方、海外景気の下振れ懸念、デフレの影響など、景気を下押しするリスクが存在することに留意する必要がある。また、雇用情勢の悪化懸念が依然残っていることにも注意が必要である。」としている。

県内経済の動き

 県内経済は、厳しい状況が続いているが、持ち直しつつある。一方、雇用・所得では、労働需給が厳しい状況にある中で、雇用者所得は大幅に減少している。

県内主要経済統計(22年2月)(単位:前年比、%)
  鉱工業
生産
住宅着工
戸数
公共工事
請負額
大型小売店
売上高
乗用車新車
登録台数
企業倒産
件数(件)
20/10~12 -14.8 -5.0 -16.5 0.4 -23.7
21/ 1~ 3 -37.5 -25.5 8.0 -2.6 -35.1
21/ 4~ 6 -33.0 -29.6 2.6 -1.2 -21.5
21/ 7~ 9 -25.4 -32.6 27.2 -4.0 -4.1
21/10~12 P -7.1 -24.5 23.8 -4.3 31.1
             
21/ 9 -23.6 -26.0 12.5 -2.5 -1.5 13
10 -15.1 -31.6  39.7 -3.4 10.0 16
11 r -4.7 -18.7 3.1 -6.7 33.9 19
12 P -0.1 -22.4 24.8 -3.0 59.5 27
22/ 1   14.2 -7.0 -4.6 57.4 10
2         34.8 12
資料出所 長野県 長野県 東日本
建設業保証
日本銀行
松本支店
長野運輸支局 東京商工
リサーチ

(日銀松本支店まとめ)

P:速報値 r:訂正
(注)大型小売店売上高は、店舗調整前の計数

県内の雇用情勢

 1月の雇用情勢は、月間有効求人倍率(季節調節値)は0.44倍と前月と同率であったが、前年同月比では0.16ポイントの低下となった。新規求人数は、対前月比+9.0%であったが、対前年同月比では▲16.9%となった。産業別にみると、前月比では、製造業の一部のほか、卸売業・小売業や医療・福祉などで増加が見られた。一方、新規求職者数は、対前年同月比▲20.7%となった。

県下の倒産状況

 2月の県内における負債総額1,000万円以上の企業倒産(内整理を含む)は、件数は12件で前月比+2件(前年同月比▲14件)、負債総額は156億円で前月比+111億円(前年同月比+107億円)となった。産業別では、建設業が7件と最も多く、続いて、製造業およびサービス業他がそれぞれ2件であった。(東京商工リサーチ調べ)

県内の産業動向
製造業
(食品)
 食肉加工品等においては、外食から内食への傾向が強まっていることなどから、精肉関連の売上は堅調に推移している。全般的には、商品単価の低下に加え販売量も減少傾向である。
(金属製品)
 メッキ業においては、海外向けのプリント基盤関連に生産量の増加が見られたが、受注状況の先行きは不透明である。
(はん用・生産用・業務用機械)
 光学機器関連においては、デバイス品向けレンズの売上高は横這いであったが、好調であった輸出向け高級カメラ交換レンズでは売上高の減少が見られた。工作機械関連は、欧米市場の設備投資が依然として低迷しているが、国内においては自動車市場を中心に一部で増加が見られ、下げ止まりつつある。
(電気機械)
 中国市場における家電製品等の需要が安定しており、コンデンサについては、薄型テレビ向け部品の生産を中心に増加傾向である。
(その他製造業)
 工業用ゴム製品は、自動車関連部品の受注が安定している。一方、プラスチック成型は、自動車関連部品の生産に調整の動きがみられ、受注の減少が見られた。
建設業
 1月の新設住宅着工戸数は、持家が前年同月比+17.1%、貸家が同+27.9%、分譲が同+22.2%となった結果、全体では同+14.2%と15か月ぶりに増加した。しかし、民間工事は大口工事の需要が乏しい等、全体としては低迷が続いている。公共工事は、年度末が近づいているが、発注量は依然として低調である。
卸売業
 製造業界の素材原材料は、自動車関連産業を中心に鉄鋼需要に回復がみられた。なお、中国市場での需要増加により、鋼材価格の値上がりが見られた。
小売業
(自動車小売)
 2月の県下新車登録台数(除く軽自動車・二輪車)は、乗用車が前年同月比+34.8%、全体では同+33.7%と5か月連続の増加となった。軽自動車は同+3%と3か月連続で増加し、全体(含む軽自動車・二輪車)では同+16.6%と5か月連続の増加となった。
(百貨店、スーパー)
 消費者の節約および低価格志向は依然として強く、売上高は前年比マイナスの状況が続いている。2月中旬以降は、例年と比べ暖かな日が多く、春物衣料品の一部に動きが見られた。
観光
 2月の白馬山麓は、十分な積雪状況であるものの、全国的な景気低迷にスキー離れも加わり、前年同月比▲4.4%と入り込みが減少した。それに加え、スキー客は日帰り客が大半で、特に学生の宿泊客の減少が目立ち、ホテル・旅館は厳しい状況が続いている。大町温泉郷についても、スキー客中心の客層であったが、入り込みは低調であり、前年同月比▲20.9%となった。

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